「せっかく試験や面接を通過して公立保育士になったのに」
「せっかく公務員としての安定を手に入れたのに」
公立保育士さんの中には「仕事やめたい!」と思っていながら、我慢して働いている方もいるかもしれませんね。
私も昨年まではそのうちの1人でした。
この記事では、実際に公立保育士をやめた筆者が、
✔︎公立保育士として働き続ける難しさ
✔︎公立保育士やめたらどうなる?
✔︎辞める際の注意点は?
というトピックや疑問を解説します。
目次
どうして辞めたいと感じるの?
求められるレベルが高い
保育士であるということに加え、公務員として見られる分、保護者から求められるレベルが高いと感じます。
「さすが公立の先生」と感謝されることも多いですが、「もっとこうしてほしい」と求められることも同じように多かったです。
公務員たるが故に、地域の目を気にする必要も。
コンビニで昼食を買った時には、ビニール袋ではなくマイバッグに入れるよう指導されたこともありました。笑
行事のウェートが大きすぎる
公立園は大規模であることが多く、その分運動会や発表会、卒園式などがしっかりと行われる傾向にあります。
伝統や保護者の期待もある分、簡単には縮小・廃止できないのでしょう…
しかし、日常の保育や事務をこなしながら、行事の準備をするのは本当に大変ですよね。
行事の前は残業が当たり前。係になればピリピリするし、担任なら子どもたちを鼓舞しなければいけないし…
異動の時期になると落ち着かない
公立保育士であるが故、意思に反して数年ごとに異動を命じられます。
新しい職場に入っていくのは本当にドキドキしますよね。
たとえ自分が異動を免れても、園長や副園長の異動により、保育方針や仕事の仕方が変わるなど大きな環境の変化にさらされます。
自分が異動になってもならなくても、2〜3月のシーズンは精神的にきついです。
噂がまわりやすい
公立保育園は市区町村レベルでの狭いコミュニティなので、先生同士の噂が回りやすいと感じませんか?
妊娠や出世などの良い噂なら良いですが、大抵は黒い噂だったりします。
「他人の不幸は蜜の味」とはこのことですね…
大変なわりにそんなにお給料は高くない
公務員というと「お給料は安定していて、結構もらえているんでしょ?」という印象を持たれがちですが、実際にはそうでもないですよね。
安定しているといえば確かにそうですが、同じ市区町村で働いている事務職の同期とは年間100万円近く違いがありました。
公立保育士を辞めたい人の背中を押す「3つの事実」
公務員として働いた職歴は強い
公務員としての職歴があるだけで「努力できる人」「勤勉な人」「誠実な人」というイメージを持たれることが多いです。
転職する際にも有利に働くでしょう。
保育士として働いた経験は無駄になることはありません。
民間の保育士として再スタートする際にはもちろん、異業種への転職でも保育園でのさまざまな経験が活きてきます。
今辞めなかったとしても、働き続けられるかはわからない
私は子育てと保育士職との両立が難しくて仕事を辞めました。
制度はあるものの、当番があって利用できない日が多かったり、逐一申請が必要だったり…使い勝手が悪かったです。
また、自治体によっては公立保育園の統廃合が行われています。
財政状況や子どもの数の減少により、公立保育園の維持・運営が難しくなってきているのです。
一度採用されたからには辞めさせられることはないでしょうが、他の職場に比べ働きづらくなっていく可能性は大いにあります。
この先も働き続けられるか、働き続けたいと思えるかは、置かれた環境に大きく左右されるでしょう。
「安定」を手放すと広い世界が見えてくる
仕事に行ってさえいれば、きちんとお給料が支払われるのが公務員の良いところですよね。収入は多くありませんが、ひもじい思いをすることなく十分生活していくことができます。
しかし、「安定」を手放すともっと広い世界が見えてきます。
民間企業では給与以外にもさまざまなバックアップがあったり、働き続けやすいような制度面での工夫がなされていることも多いです。
副業が解禁されていることも多いので、スキルを磨きながら副収入を得ることもできるかもしれません。
【メリット】公立保育士をやめたらどうなる?
人間関係や異動のストレスから解放される
「今度〇〇園から来る△△先生はやばいらしい」
「〇〇園の△△園長は気分屋だから気をつけて」
などなど、公立保育士は異動範囲が狭い分、2〜3月になるとさまざまな黒い噂が飛び交いますよね。
自分も噂されているかも?と想像するといい気がしません。
また、年次を重ねてくると「自分もそろそろ異動かなあ」とソワソワ…
でも、公立保育士を辞めたら数年ごとの異動にドキドキしなくて済みます。
園長や副園長の人事にも、ヤキモキしなくて済みますよ。
よりよい働き方が選べる
私が勤務していた保育園では、長年の紙の連絡帳をようやく廃止して、アプリを導入するようになりました。
しかし、タブレット端末の台数が限られていて、毎日クラスごとに取り合いになっていましたね…
登降園の打刻はカードでできる仕様になりましたが、インターホンはいちいち手動で出る必要があり、その度に保育が中断されていました。
公立保育園は公立園同士で足並みをそろえなければならないので、保育現場の改革に相当時間がかかります。
その点、私立園や他の異業種職場では、コスト削減や労働者の負担減の意識がよりシビアです。働きやすさや効率重視の見直しが日々進んでいます。
転職によって、よりよい働き方を自分で選んでいくことができるかもしれません。
新しいことに挑戦できる
公務員の間は副業が禁止されていましたが、やめたらその縛りがなくなります。
以前から興味があったライティングやデザイン・動画編集など、あらゆるスキルを「お金を得ながら」習得できるようになりました。
実は公立保育士として勤務している間もスキル習得のために勉強したりしていたのですが、実際に報酬を得られるとなるとよりモチベーションが上がります。
在宅で稼げるスキルを身につけられたことにより、育児中も自分のペースで働きやすくなりました。
災害時に召集されることがなくなる
公立保育士は公務員であるため、大規模な災害が起きた時に区民・市民の安全を守るために召集されることがあります。
我が家は夫婦共に公務員だったので、災害時の召集が懸念材料でした。
しかし今はその責任から解放され、いざという時にはすぐに我が子の元にかけつけることができます。
【デメリット】公立保育士がやめる時の注意点
失業給付がもらえない!?
退職関連のことを調べていると、必ず「失業給付をもらうべし」と書かれた記事に出逢います。
自己都合の退職も対象になるとのことで、自分も貰えるものだと思っていました…
しかし、いざ管轄のハローワークに行ってみると「もらえない」と!
私が全くの無知だったのですが、
公務員は失業のリスクが低い
↓
失業保険に加入が強制ではない
↓
加入していないので登録がない
↓
支給されない
こういうことのようです。
失業保険の加入状況により異なるかもしれないので、退職前に地域のハローワークに問い合わせることをおすすめします。
思った以上に周囲に反対される
公務員という安定した職を手放すのは、思っていた以上に周囲に反対されます。
特に、家族や上の世代の方。
2人に1人が転職する時代と言われる中でも、公務員の転職は驚かれるものなのですね…
私は将来的に副園長・園長とキャリアアップする未来は見えていませんでしたし、辛い思いをしながら働き続けるなら公務員でなくてもいい感じて退職を決意しました。
家を買ったり、引っ越したりするなら不利になるかも
直近で家を買ったり、引っ越したりする予定があるなら、公務員を辞める前がおすすめです。
公務員というだけで融資が受けやすいですし、転職したあと日が浅いうちはローンが組みにくくなることもあります。
引っ越しの場合も同様で、審査に通りにくくなるかもしれません。
【結論】やめても未来は明るい!
公務員保育士をやめても、生活していけなくなることはありません。
頑張り次第で今よりも働きやすい環境に身を置くことができたり、収入アップも見込めるかもしれませんよ。
公立園で働いた経験や経歴はきっと次の職場でも味方になってくれます。
我慢して働いている自分をゆるめ、勇気を出して一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。